当記事はH.A.Bが取次の新刊を案内する際に使用した文面をそのまま掲載しているものです。仕入れご希望の方は注文方法から、通常の購入をご希望の方は注文サイトから(いずれも末尾)ご購入ください。
『ナンセンスな問い 友田とんエッセイ・小説集Ⅰ』
(友田とん著、エイチアンドエスカンパニー(H.A.B)刊)
『『百年の孤独』を代わりに読む』『パリのガイドブックで東京の町を闊歩する』などの著作、あるいは出版社「代わりに読む人」の活動で知られる著者の単行本です。
「代わりに読む人」は当店が取次を担当しておりますので、すでに馴染みのある方もいらっしゃるかと思います(ありがとうございます)。
先の著作二冊は自レーベルからの出版でしたので、今回の新刊が「初めて他社から出る商業単行本」という位置付けになります。
独特の「可笑しさ」を秘めた作品群。そもそものスタート地点が間違っているような「ナンセンスな問い」を、愚直に、真摯に問い続けることで生まれてくるユーモアが、読者を見たことがない場所に導きます。
当店とは、『『百年の孤独』を代わりに読む』の営業で来店してくださったのがお付き合いの始まりで、同書のあまりの面白さに、イベントをお願いしたり、当店刊行の特典冊子に寄稿をお願いしたりするなかで、四年ほどの時を経て、一冊の本を作り上げることができました。
(ご注文)
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ーーー以下、ご案内ーーー
ナンセンスな問い 友田とんエッセイ・小説集Ⅰ
著者 友田とん
装画 土屋美久
装丁 中村圭佑
校正 サワラギ校正部
発行 エイチアンドエスカンパニー(H.A.B)
ISBN978-4-910882-01-7 C0095
本体:2000円+税
四六判(変形)上製(帯あり・カバーなし)・224頁
配送日:2023年2月17日ごろより初回発送開始
取次経由発売分:2月下旬店着予定
【販売条件】
買切:60%/委託:75%
*取次経由あり。番線でご注文いただけます。
ーーーーー(概要)ーーーーー
本屋には行く。なぜなら、体にいいからだ。
「ナンセンスな問いに私は駆り立てられる。そこには意味など何もないし、問うたところで社会が変わるというようなものでもない。しかし、しばしば当然と思っているところに風穴を空けてくれることがある。問わなければ気づきもしなかったことが、初めて目に留まる。いつもの日常がちょっと違って見えてくる。世界が可笑しさに満ちてくる。満ちてきたらどうなのだと言われると、困ってしまうが、困ったなあと言いながら、私は今日もナンセンスな問いを発している。」(本文より)
『『百年の孤独』を代わりに読む』『パリのガイドブックで東京の町を闊歩する』の著者による、待望の作品集。
連作エッセイ「本屋に行く」、小説「私の応援狂時代」ほか、各媒体に掲載された作品に書き下ろしを加えて単行本化。
友田とん(ともだ・とん)
作家、編集者。京都府生まれ。可笑しさで世界をすこしだけ拡げるひとり出版レーベル「代わりに読む人」代表。博士(理学)。
大学では経済学、大学院では数学(位相幾何学)を研究し二〇〇七年に博士(理学)を取得。企業でコンピュータサイエンスの研究者・技術者として勤務する傍ら、『『百年の孤独』を代わりに読む』を文学フリマ東京で発表。同書を書店に置いてもらうため営業(行商)しながら全国を巡る。その後、「代わりに読む人」を立ち上げ、独立。自著のほか『うろん紀行』(わかしょ文庫)、『アドルムコ会全史』(佐川恭一)、文芸雑誌『代わりに読む人』を刊行している。
著書に『『百年の孤独』を代わりに読む』、『パリのガイドブックで東京の町を闊歩する』シリーズ(代わりに読む人)。共著に『ふたりのアフタースクール ZINEを作って届けて、楽しく巻き込む』(双子のライオン堂出版部)。ほか、寄稿多数。
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本書は、先の当店購入特典冊子にて連載された(現在も連載継続中)、「本屋に行く」をメインとし、そのほか各媒体に掲載されたエッセイ、小説に書き下ろしを加えてまとめたものです。
「本屋に行きさえすればいい」と決めて始めた連載は、冷凍うどんを裏返した時の疑問を解決するため、水戸黄門の謎に迫るために本屋に向かい、時には夢の中で、あるいは歌詞の中でも、本屋に行くことを試みながら続いてきました。
残念ながら単行本には収録されていないのですが、23年1月刊行の最新の特典冊子で著者は
「今必要なのは、むしろ笑いではないか。私はそう思った。経済的な合理性が高く掲げられていた。「あるある」や共感がもてはやされていた。しかし、私はそこにうまく乗ることができなかった。むしろ、誰にも見向きもされていない日常のなかに、汲み尽くせぬ可笑しさがあるのではないかと思いたかった。そう思えば、世界が突然違った輝きを放つようになった。」(H.A.Bノ冊子16号)
と、書いています。
クスクス、にやにやと、笑いが止まらない(どうも「大笑い」ではない「笑い」の感覚です)その本文の中において、問いに対する著者のひたむきな真面目さ(そこが面白いわけですが)は、こうした姿勢によるものなのではないかと思います。
といいつつ、読書体験自体から、大きな啓蒙や学びを得ることはないでしょう。日常が「ちょっと違って見えてくる」。ただただ「読書が面白い」。それだけの、大切な作品集になりました。
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